ゆっくりゆっくり。自分も人もみんなが幸せになれる方法

小さい頃、親にトロいと言われながら育った私。トロいことが悪いとは思っていませんでしたが、常に「早く!」と急かされて叱られるのは嫌でした。ゆっくりやりたいという自分の気持ちは後回し、とにかく、早く。心がけているうちに、動くスピードだけは上がっていきました。

でも、そこには喜びや楽しさ、余裕や思いやりなどがありませんでした。物事は早くこなせればそれでよし、人がどう思っているかなど、気遣うことはできませんでした。それどころか、周りが自分の思い通りにならないと、すぐにイライラしてしまい、きつい物言いをしてしまったことも数えきれません。

40代になって体調の変化に気づく

そんな生活に疑問を持たず、40代に突入しました。何だか調子が悪い。ひどく疲れやすくなり、めまい、ほてり、立ちくらみなど、今までなかったような体の不調とともに、ひどいイライラ、抑うつ気分など、心もおかしくなってきました。

年齢から更年期障害を疑い、婦人科で検査を受けましたが問題なし。医師からは「自律神経の乱れからくるものでしょう」とだけ言われました。注射や薬で何とかなると思い込んでいた私は困り果てました。ネットで「自律神経」を検索しても、情報が多すぎてどれを信頼していいのかわからない。

そんなとき、ある本に出会いました。そこに書いてあった自律神経の整え方は実にシンプルでした。何事もゆっくり。スピード重視、イライラせかせか、今までの私には無縁の言葉。ですが、物事はゆっくり確実にこなした方が、慌てたり焦ったりしてやるよりずっと早いのだとか。

試しにゆっくり行動してみる

ものは試しです。意識的にゆっくり行動するようにしてみました。不思議なことに、ゆっくり動くと周りの状況がよく見えるようになりました。例えば、電車で出かけようとするとき、駅に着くことだけを考えて早足で歩いていた頃は、常にピリピリしていて、人にぶつかろうものなら舌打ちをしていたほどです。

ゆっくり歩いてみると、他の人の動きが目に入るようになりました。お年寄りだな、サラリーマンだな、ベビーカーを押してるな。それだけで、それぞれの人の動きを見ながら、その人たちが不愉快にならないような歩き方をするようになりました。

空の色、気温、風など、自然についての感度も高くなりました。心に余裕が生まれ、気持ちが穏やかになっていることに気づきました。ゆっくりと物事をこなすと、確実性が高くなり、やり直すということがなくなるので、結果的に早く終わることにも気づきました。

焦ったり慌てたりすることが少なくなるので、イライラすることも減りました。徐々に体も楽になっていきました。「ゆっくりやりたい」という本当の自分の気持ち、やっと大切にしてあげられるようになりました。